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構音(こうおん)検査とは

「発音がおかしいです」「もう年長さんなのに赤ちゃんことばみたいに話すんです」

このような相談があれば、言語聴覚士はまず滲出性中耳炎などの病歴の確認、聴力検

査、そして、口部の器質的な問題の有無と動作の確認をします。

次に行うのが、「構音検査」と呼ばれる発音の検査で、どの音がどのように苦手なのかを確認します。「検査」と聞くと難しそうですが、絵カードを見て、名称を言ってもらうだけなので4歳児さんでも取り組むことができます。かかる時間は10-20分程度です。

発音の産出にはいくつかの段階があり、どの段階に苦手さがあるのかを確認することがとても重要です。検査では次の3つの段階を調べることができます。

①単音節

 「か」「た」「ら」など音を1つだけ言ってもらいます。

②単語

 「さかな、かに、うさぎ」など単語を言ってもらいます。

③短文

 「こうえんに 行きました」などの短い文章を言ってもらいます。

単音だとはっきり言えるのに、単語になると曖昧になったり、自然会話などで長く話すと発音があやふやになるお子さんがいます。言語聴覚士は、お子さんがどの段階でつまずいているのかを確認します。そして、未熟なスキルを一つ一つ明確にし、目標を立て、指導をしていきます。

また、発音が苦手な原因の多くに、口部の筋力の未熟さ、協調運動の苦手さ、唇、舌や顎の可動域の狭さなどがあります。身体の全体的な筋力が弱いお子さんや発達性協調運動障害を呈するお子さんは、粗大運動や微細運動能力だけでなく、口部運動能力にも困難を呈します。そういう場合は、基本的な口部運動を繰り返し行い、まず口や舌の動きの改善を図ります。筋力を改善する練習を中心に行い、次に正しい音の産出練習へと進みます。

次回は、発音の具体的な問題例についてお伝えします。

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