発音の問題例(音の置換と側音化構音)

発音の発達は個人差があるため、あくまで目安ですが次のようなケースに当てはまる場合、言語聴覚士などの専門家に相談してください。
〈ケース1〉
4歳過ぎ(年中さん)だが下記のように発音している。
「かに」を「たに」と言う
「かめ」を「ため」と言う
このお子さんは、「カ」の音が「タ」に変わっています。また、「カ」だけでなく「カ行」が全て「タ行」に変わっています。舌の動きの巧緻性が低いとこのようなパターン的な誤りがみられることがあります。
「カ」の音を出すには奥舌(舌の根本の方)を上にぐっと挙げなければいけません。しかし、「かに」が「たに」になってしまうお子さんは奥舌を挙げることができず、舌尖(舌の先の部分)の方が挙がってしまいます。
〈ケース2〉
5歳になって、来年小学生なのに下記のような発音をしている。
「さかな」を「ちゃかな、たかな」と言う
「そら」を「しょら/とら」と言う
このお子さんは、「サ行」の音が「シャ」「チャ」や「タ」に変わってしまっています。5歳過ぎてもこのように発音していると幼く見られてしまうことがあったり、周りの子からからかわれたりす ることもあります。そのため、話をすることに自信を失ったり、話さなくなってしまう子もいます。
「サ」の音は、舌尖(舌の先の部分)と前歯の後ろで隙間を作り息を出します。この動きが難しいと誤った音になってしまいます。この場合は、ケース1とは逆で、舌尖を挙げることが苦手なお子さんに多くみられます。
〈ケース3〉
5歳ぐらいになって「ケーキ」と言った時に、音がひずんで聞こえる。
「ケーキ」と言った時に音がはっきりしていない。「チェーチ」のように言ってしまう。
「イ列音」「エ列音」の発音時に顎や口がピッと横に引きつる。
これは側音化と言われ、空気を出す位置が間違っていることによって音がゆがんでしまう発音です。しゃべり方の印象としては、息が口の横からもれているような感じです。本来は正中(口の真ん中)から息を出しますが、側音化になっている場合には横から息を出してしまっています。
上記3つのケースは一例に過ぎません。発音の問題は1つの音だけが苦手なお子さんもいれば、いくつもの音が苦手なお子さんもいます。少しでも気になったり、当てはまることがあれば言語聴覚士の検査を受けることをおすすめします。