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就学準備:支援が必要なお子さんのために ② 特別支援学級と通級指導教室

前回は特別支援教育の歴史、特別支援学校について説明しました。本ブログでは特別支援学級、通級指導教室についてみていきたいと思います。

 通常の学校に設置される特別支援学級は、「情緒障害者」が「自閉症・情緒障害者」に改められるとともに、 通級による指導の対象として、新たに自閉症、学習 障害、注意欠陥多動性障害が加えられました。これらの発達障害については、2002 年の実態調査によって、約6.3%の学習障害・注意欠陥多動性障害・ 高機能自閉症の子どもが通常学級に在籍している可能性が指摘されています。このため通常学級でも特別な支援の必要性が考えられるようになってきています。

<特別支援学級>

特別支援学級は、小学校(軽度·中度別のみ)、中学校、義務教育学校、高等学校および中等教育学校に、教育上特別な支援を必要とする児童および生徒のために置かれた学級です。小・中学校に障害の種別ごとに置かれる少人数の学級で8人を上限としています。知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害の学級があります。

<全国の特別支援学級>

国・公・私立の小中学校の特別支援学級数(平成27年時点)は、全国で54,586校、児童生徒数は201,493人です。対象となる児童生徒は知的障害が100,215人で全体の49.7%です。自閉症・情緒障害が90,157人で全体の44.7%になります。

特別支援学級は、学校によって、養護学級、育成学級、心障学級、障害児学級、実務学級、学習室、総合学級、個別支援学級、なかよし学級、あすなろ学級、すみれ学級など、さまざまな呼び方があります。

<通級指導教室>

通級による指導は、障害の状態に応じた特別の指導を特別教室で受けるものです。通常の学級の授業におおむねついていけるものの、通常の学級の中で一部、特別な支援を必要とする子どもを対象に設置されている少人数教室です。

言語障害、自閉症、情緒障害、弱視、難聴、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などのある児童生徒を対象としています。通級に通う子どもは通常の学級に籍を置きます。各教科や、給食の時間などほとんどの活動は通常学級で過ごします。週に数時間だけ、障害に合わせた個別の支援を受けるために通級指導教室へ通うことになります。

<全国の通級>

全国の通級に通う児童数(平成27年時点)は90,270人です。そのうち小学生は80,768人、中学生は9,502人となっています。

また、自校の通級に通うのは42,014人で全体の46.5%です。他校の通級に通うのは42,081人で全体の46.6%です。巡回指導は6,175人で全体の6.8%です。対象となる児童生徒は、言語障害が最も多く 35,337人で全体の39.1%におよびます。次いで多いのは注意欠陥多動障害で14,609人、全体の16.2%を占めています。また自閉症も14,189人で全体の15.7%となっています。

<ことばの教室>

支援級、通級という名称以外にも「ことばの教室」という名前を聞くことがあります。「ことばの教室」とは言語の障害のある子ども向けに設置された、特別支援学級や通級指導教室の通称です。

あるいは「言語障害通級指導教室」、「言語障害特別支援学級」と呼ばれたり、地域によっては「ことばときこえの教室」と呼ばれ、言語と聴覚の障害両方の支援が受けられる場所もあります。主に言葉の遅れ、吃音、構音などに対する指導を受けることができます。また、言葉の問題の改善以外にも「国語、英語、音楽、算数」などの指導を受けることができます。

次回は特別支援教育の地域差について説明します。

〔参考資料・文献〕

文部科学省ホームページ  www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm

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