マンドスキルを伸ばしましょう
「子どもの要求(マンド)スキルをどうやって伸ばせばよいですか?」という質問をよく聞きます。
まず大切なことは、子どものモチベーションを高めるための工夫をしましょう。また、子どもが要求できたら、その要求したものを素早く子どもに与える際、笑顔や声かけを忘れないようにしましょう。
<<ポイント>>
1. 子どもが大好きなものを使う
子どもが欲しがるもの(食べ物、おもちゃ、人形など)をすぐに渡すのではなく、ちらっと見せます。子どもに合った適切なコミュニケーション手段(ことば、身ぶり、AAC(絵カードやコミュニケーションブックなど)で要求(mand:マンド)できるように、最初は手助けしながら行います。要求できたら素早くmandしたものを渡します。この時、「玩具って言えたね」「チョコレート、だね」など、望ましい行動を具体的に言語化或は身振り(サイン)で褒めてあげます。このやりとりを繰り返しながら、子どもはことばや身ぶりがもつ意味やコミュニケーション機能について理解していきます。 2. 子どもの言語発達レベルに合わせてマンドの手段を選択する ことばの表出が全くない子ども→「ちょうだい」の身ぶりやサイン、AAC (PECSやコミュニケーションブックなど) 音形が不明瞭でも発話がある子ども→「ちょうだい」に近い発話やイントネーションやでも十分! 単語レベルの発話がある子ども→「〜(を)ちょうだい」→「ありがとう」 2〜3語の発話がある子ども→適切な動作語も発するように促しましょう (例:○○が欲しい ○○取って ○○開けて など) 3. 小分けにして与える マンドを繰り返し練習するために、子どもが欲しがるものを一度に全部与えず小分けにしましょう。マンドスキルが自発的にできるようになるには、小さなステップの繰り返しが欠かせません。好きなおやつやおもちゃは、少しずつ与え、その都度マンドを促しましょう。 4. 大好きなものを隠す 好きなものが簡単に手に入る環境下ではマンドスキルは改善しません。子どもが大好きなものはできるだけ手に届かない場所や鍵のかかったケースに入れましょう。「取って!」や「開けて!」「ちょうだい!」といったことばの要求を促しやすくなります。
5. 他の人や場所でもマンドが言えるように般化させる
まずは慣れた相手や環境でマンドが言えるように練習しましょう。それができるようになったらできるだけプロンプトを減らし自発的なマンドスキルを習得させましょう。次のステップは慣れていない人や場所でもマンドが言えるように般化してきましょう。大人相手にできるようになったら、子どもやお友達にもマンドできるようにしていきたいですね。