レビュー紹介:「はじめよう おうちセラピー」

本ブログでは、一番最新の「はじめよう おうちセラピー」のレビューをご紹介致します。

投稿者:言語聴覚士を目指しているMMさん







1) 全体のサマリーを聞かせてください。

まず初めに、土台として身に着けておくべきスキルについて説明されており、その上で日常生活に必須のスキルをどう形成していくか、具体例も交えて詳しく説明してあります。各章の最後に、内容の“まとめ“が記載してありますが、再度おさらいをすることで自分の記憶に知識を定着させるのに役立っています。序文に、“自閉症児の能力は個人差が著しいため、一冊に全ての学習児のニーズを網羅することは不可能です。従って、本書では現在全く発語がないか、または語彙力が20語未満の子どもを対象にしています。”との記載がありますが、親としてどうあるべきかという点等、対象ではなくとも十分な学びを得られました。


2) 他の本と比較し、特に学べたところや印象に残ったところはなんですか

翻訳書は、直訳されていることが多いのか、日本語であってもそれを理解するのにとても時間がかかると感じています。「はじめよう おうちセラピー」は初心者でもすんなりと理解できる言葉で書いてあり、難しい語や専門用語には説明が記載されているため、他の書物で調べる必要もなく非常に読みやすいです。専門書は難しくて途中で読むことに挫折してしまいがちですが、こちらの書籍はそれがありませんので、最後まで余すところなく学べます。

発達障害を持つ子どもに、一番最初に行うべきことや親や指導者に重要視されることについて解説されています。なぜそうする必要があるのか、理由も書いてありますので、疑問点がすっきりします。


こちらの書籍に沿ったオンラインセミナーも受講させていただきましたが、より具体的な例を提示しながら進み、疑問点も気軽に質問できました。小さな子どもがいますと、会場に足を運ぶことさえ難しいですが、家で講義を受けられるので助かりました。イメージしていたオンラインセミナーとは全く違い、受講してよかったです。セミナーには様々な業種の方が参加されており、ご意見を伺えてとても参考になりました。書籍で予め予習しオンラインセミナーを受講することで、一層思考と理解度が深まりますのでお勧めです。


3)どんな人にお勧めですか。どのような知識やメリットが得られましたか。

日常生活で発達障害を持つ子どもに接する際に何に気を付ければよいのか、子どものどの特性を強化してあげるのがよいか、対応方法が分からないでいる方にお勧めしたい書籍です。また、日常生活上、ことばの遅れがなんとなく気になる場合、発達障害がグレーゾーンの場合も、非常に参考になる書籍だと感じました。保育園の先生や未就学児を対象とする教育関連の職業の方にも、是非読んでいただきたいと思いました。


私の子どもはASD疑いとの診断を受けました。子どもに一体どのように接するべきか、何をしてあげられるか様々な本を買いましたが、結局対応はその子による、一般的な症状はこういうもの、ということだけ理解できました。まず何からどの程度のレベルで始めるのがよいか、具体的に知りたいと考えていたところ、こちらの本に出会いました。親は、発達段階的に適切ではない背伸びした課題を子どもに与えてしまいがちですが、優先的に行うべき課題、スキルアップについて記載されているので、この書籍を読むことで自身の考えを軌道修正できたと思っています。


4)実際に応用したことはなんですか。得た知識で発展できたことを教えてください。

一つのスキルを指導する際、それ以外のスキルアップも同時にできることを忘れてはならない。”これはおうちセラピーの一説です。だからこそ、発達障害を持つ子どもは1つのスキルを習得するのに時間がかかる、ということに気づかされました。親は一度に複数の課題を与えてしまいがちですが、子どもは1つの課題で様々なことを習得している、と思うと、考え方が変わります。ASD児は、然るべき専門家に訓練していただく必要があると思い込んでいましたが、日々の生活で親が気を付けてあげることが、子どもの社会的スキルアップにとても重要であると学びました。

例えば、ごはんの際にお茶を飲み干し、おかわりしたそうな様子である場合はすかさず私が注いでいましたが、それでは子どもが自分の要求を相手にことばで伝える機会、必要なものを欲しいと思う機会を奪っています。

一人でお人形ごっこをすることが多く、それが好きなんだと思い込んで遊ばせておくことで(仕事と家事でバタバタした毎日を送っていると、つい一人遊びを継続させてしまいがちでもあります。)、他者と遊ぶことのメリットを知る機会、ごっこ遊びをするときに必要な単語やことばのやりとり方法を学ぶ機会を奪ってしまいます。

こういった日常生活での小さな積み重ねが、子どものスキルアップを妨げていると私自身が自覚し、意識して子育てするようになりました。子どもが変わることを親が要求することは間違えであり、まずは親自身が行動を変える必要がある、とこちらの書籍から教えていただきました。


また、自身の子どもが“なぜいつも保育園の先生にさようならのご挨拶がちゃんとできないんだろう?極度の照れ屋さんだから?”と思っていましたが、その疑問も書籍を読むことで解決できました。ご挨拶の意味を理解できるまで説明し、少しずつできる回数が増えてきているように思います。次は視線を合わせてご挨拶できるように練習したいと考えています。

5)子育てや療育で悩む保護者の方にメッセージをお願いします

ASDの特性を持つ子どもには、家庭での日常生活上のちょっとした工夫がとても重要だと感じています。そのために、親は学ぶ必要があると思います。「はじめようおうちセラピー」のような、手軽に読みやすい書籍の存在を一人でも多くの方に知ってもらい、保護者の方に読んでもらいたいと思っています。そうすることで、発達障害を持つ全ての子ども達と保護者の方が、今までよりももっともっとハッピーな毎日を送れるようになることを祈っています。







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