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ジェイムス・パーティングトン博士の推薦文

親であるならば誰でも、子どもの成長を願い、必要な能力や技術を身に付け、社会に出てその能力が発揮されて、幸せな人生を歩むことを望んでいます。

しかし、中には幼少のときから「定型的な発達」が困難な子どももいます。
周りの子どもに比べ、言葉の遅れや、社会との適合性や、自立のためのスキルが未熟な子どももいます。

発達の遅れが著しい場合、自閉症スペクトラム障害やその他の発達障害と診断されることもあります。

著しい発達の遅れを呈している子どもの保護者は、発達領域の専門家から助言や効果的な療育的支援を受ける必要があります。なぜならば、発達に遅れのある子どもにとって、出来るだけ早い段階からの集中的行動療法は効果が認められていますし、将来幸せで充実した生活を送ることが数多くの研究によって立証されているからです。
ただし、子どもの可能性を最大限に引き出すためのスキルを指導するにあたって、個々の子どもの特性にあった療育支援を行わないと効果を得ることはできません。

保護者にとって最も重要なことは、今現在、子どもが優先的に身に付けるべきスキルが何であるかを理解し、正しい選択をすることです。一見、習得するのが比較的簡単に思えるスキルであっても、その前にその他の重要なスキルを獲得することをしないと効果がでないことがあります。ですから、周りの子ども達が既にできていることを身につけさせるには、その前に習得しなければならないスキルを慎重に段階的に指導する必要があります。更に、保護者が子どもにスキルを教える体系化された指導法を覚え、食事、着服、入浴といった日常的な活動を行なうことが、様々なスキルの習得にとっては非常に有効な手段となります。

以上のことから明確に言えることは、保護者および教育者は個々の子どもの現在のスキルだけでなく、今後どのようなスキルを身に付けなければならないのかという問いに明確に答えていくことが重要となります。

基本言語・学習スキルのアセスメント−改訂版(ABLLS-R®: Assessment of Basic Language and Learning Skills-Revised)を活用すれば、子どもの現在のスキルと未熟なスキルを明確にすることが可能となります。本書の体系化された療育法の基盤となっているのはB.F. スキナーが提唱した言語行動分析です。従って、現在の子どものスキルを包括的に評価し、言語力を基本とした学習カリキュラムを個別に開発することが可能となります。

ABLLS-R®は言語発達の遅れを呈している子どものための評価(アセスメント)、指導内容の手引き、スキルトラッキングシステム(追跡表)を包括しています。改訂版であるABLLS-R®は、子どもが社会性と豊かなコミュニケーション能力を身に着け、日々の体験から効果的な学びを深めていくために必要な様々なスキルを数値的に分析し、かつ評価しています。ABLLS-R®は、2部構成で、第1部では、個々の子どもの発達過程および行動を数値で評価し、記録するABLLS-R® アセスメントと、アセスメントを正しく実施するための解説を行っています。第2部では、IEP(個別学習プログラム)の作成方法を記した手引き(ABLLS-R® ガイド)となっています。

ABLLS-R®を活用することで、療育の専門家および保護者は、言語発達の遅れを呈する子どもの現在のスキルの達成度について明確な数値的指標(判定基準)を把握することができ、その結果をもとに適切な学習目標を定めることができます。さらに、基本的で重要なスキルの獲得状況をスキル追跡表に記録し確認することもできます。

一方、ABLLS-R®ガイドには、個々の子どものスキル評価方法とスキル追跡表を作成するための説明があります。本ガイドを活用することによって保護者、教育者、療育の専門家は個々のケースの評価結果を基に効果的なIEP(個別学習プログラム)を作成できるようになります。

本ABLLS-R®アセスメントには計500以上に至る多様なスキルの評価が含まれています。本アセスメントを活用する保護者は、十分な経験とトレーニングを積んだ療育の専門家と連携し、全ての教育的方針について助言を得ることをお勧めします。ABLLS-R®は数カ国に翻訳され、世界中の子ども達に活用されています。日本語版は、佐藤陽子氏が日本の文化と独特の言語に合わせるために1年6ヶ月という時間を費やし、その結果大変わかりやすく素晴らしい翻訳となっています。

わたしの願い・・・それは、必要かつ最高レベルの療育支援を保護者と教育者に提供することで、この地球上に存在する発達の遅れを呈したひとりひとりの子どもが持っている可能性を最大限に引出し、様々な経験を豊かに積み重ね、自分らしい人生を歩んでもらうことです。

ABLLS-R®日本語版が多くの方に活用してもらえることを光栄に思います。また、保護者や教育者が本書を通し、多くの子たちのスキル獲得に貢献し、個々の子どもたちの人生が、許す限りの喜びに満たされることを心から望んでいます。

ジェームズW. パーディントン博士, BCBA-D