インタビュー:ST下澤真紀さん

March 28, 2018

本ブログでは一緒にST資格取得を目指した大切な友人である下澤さんをご紹介します。下澤さんは聴覚領域の専門で小児/成人の聴覚支援を10年以上続けています。是非この機会に聴覚領域のSTについて少しでも理解、関心が深まり、下澤さんのようなSTが増えると嬉しいです。

 

Q:言語聴覚士としての日頃の臨床業務を教えてください。


耳鼻咽喉科で聴覚分野の検査全般(聴力検査や脳波測定など)と、補聴器や人工内耳の専門外来で医師の診療をサポートしています。補聴器や人工内耳の調整、適合状態の検査、装用指導も行っています。普段は成人の方と接する機会が多いですが、難聴のお子さんの補聴器フィッティングや人工内耳のマッピング、ご家族のカウンセリングをすることもあります。


Q:言語聴覚士になろうと思ったきっかけはなんですか


大学卒業後、外資系の補聴器メーカーに就職しました。約10年間さまざまな部署で働きながら、難聴の方が補聴器を装用して、聞こえが改善されて喜ばれる場面をたくさん見てきて、良い仕事だなあと思いました。しかし、販売者としての関わりだけでは飽き足らず、医療の面からもきちんと補聴器を勉強したい、補聴器のプロフェッショナルになりたいと思い、医療系の国家資格を取ろうと思ったのがきっかけです。


Q: 言語聴覚士になる道のりはどうでしたか


「言語聴覚士で聴覚領域に携わっているのは全体の10%以下」という数字が示す通り、聴覚領域 は言語聴覚士の中ではメインストリームではなく、言語障害、嚥下障害、発達障害についての勉強がほとんどでしたので、今まで全く知らなかった領域の勉強をするのは大変でした。しかも、30 歳を過ぎてから学生生活を送ることになるのですが、2年間、朝から夕方まで週6日授業、帰ってから家庭のこと、宿題もたくさんあり、時間に追われて慌ただしい生活でした。幸いなことに、クラスメイトに恵まれて、みんなで協力しながら期末テストを乗り切ったのは、今となっては良い思い出です。


Q: 費用はどのくらいかかりましたか 

 

学費、書籍代、実習費で250万円ぐらいだったかと記憶しています。

 

Q: 言語聴覚士になる上での最大の難関はなんでしたか

 

もう何年も前のことなので、辛かったことはほとんど忘れてしまいましたが(笑)、常に「眠い」 自分との闘いでした。大学を卒業したての若いクラスメイトには、体力では勝てません。学校も 遠かったので体力が持たず、恥ずかしい話ですが、とにかく眠くて仕方がありませんでした。しかも、若い頃と違い、暗記ができないのです。覚えるにはしっかり理論で落とし込まないと記憶できませんでしたので、何を勉強するにも時間がかかりました。


Q: 言語聴覚士になり、これまで一番嬉しかったこと、感動したことについてエピソードを1つ具体的に教えてください


現在の仕事では、ひとりの患者さんに対してじっくり接するというよりは、多くの患者さんと限られた短い時間の中で接することが多いのですが、そういった状況の中でも、難聴の方の困り感を少しでも解消して、笑顔でお話して帰っていかれる姿を見るだけで、こちらも嬉しく元気になります。また、難聴のお子さんが音の世界を知って表情が変わったり、言葉のやりとりができるよ うになったり、その成長する姿を見て、聞こえること、コミュニケーションができることって素 晴らしいなあと、胸に込み上げてくるものがあります。


Q: 5年後の目標はなんですか


今と同じで、目の前のことに集中して取り組み続けたいです。学びには終わりがありません。常に 謙虚に学びながら、目の前の患者さんのプラスになるように、精進することを忘れずにいたいです。 時代が変わっても、人と人との関わりは変わりありません。しかし、時代が変わると患者さんや社会のニーズも変化します。そんな時代の流れをしっかり捉えて、ニーズにあったサービスを提供できればと思います。そういった意味では、医療現場だけにこだわらず、もっと幅広いフィールド で活動できるセラピストになる必要があるかもしれません。 

 

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