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2歳までのことばの定型発達

個人差はもちろんありますが、2歳過ぎても単語が出ない、2語文で話せない場合には言葉に遅れがみられる可能性があります。「もう少し様子を見てみましょう」と言われ、3−4歳まで待ち、もっと早く対応しておけばよかったと後悔の声を聞くことは珍しくありません。

2歳のことばの定型発達について大まかに知っていれば専門家に相談すべきか否かの目安になります。遅れているような気がする、気になる行動がある、など何か感じることがあれば、発達センターや言語聴覚士などにまずはご相談してみましょう。

1.生まれてから1歳前後まで

 この時期は「前言語期」と言われ、意味のある言葉はまだ出ていません。しかし、生まれた時からコミュニケーションは始まっています。子どもは泣き声、笑顔、視線の動きなどで自分の周りの人との関係を形成していきます。4ヵ月を過ぎると声を出して相手に訴えるようになります。これを「喃語」と言います。舌や唇などを使い、少しずつ出せる音が増えていきます。10ヵ月ぐらいになると物を指さして「あーあー」と訴えたり、はっきり分からないけれど声に出して伝えようとするようになります。

〈この時期の言語獲得の目安〉

・3ヵ月ぐらいになると、親が笑いかけると嬉しそうに笑う

・4ヵ月から7ヵ月ぐらいで「あーあー」「ばーばー」などの喃語がみられる

・10ヵ月ぐらいで手さしや指さしがみられる

・1歳近くなると「バイバイ」と言われると手を振ったり、「ちょうだい」のジェスチャーをするようになる

2.1歳~2歳にかけて

子どもが初めて意味のある言葉を口にすることを「初語」と言います。初語が出る時期はおおよそ1歳前後で、多くの場合は「ママ」や「まんま」のような言葉としてみられます。この初語が出た後は、どんどん言葉が増えていきます。1歳半頃には50語ぐらいの単語が分かるようになり、2歳代にかけては「言葉の爆発期」と呼ばれるほど、言葉が爆発的に増えていく時期でもあります。物にはそれぞれ名前があると気づいた子供は、その名前を知りたがり、1度聴いただけで覚えてしまう能力も備えています。これをファーストマッピングと呼び、この能力があるため1日に5~7つの新しい単語を覚えていくこともできるのです。

単語が増えていくのと同時に、文をつなげて話すようになります。2歳ぐらいになると「ママ来て」「パパ会社」など2つの単語をつなげる2語文を言えるようになります。名詞だけでなく動作を表す言葉が増えることで、文がつながるようになっていきます。

〈この時期の言語獲得の目安〉

・大人の言葉を真似して言うようになる

・「これ何?」と質問するようになる

・ねこを「にゃんにゃん」というように幼児語だが話すようになる

・2語文で話せるようになる

参考文献

・石田宏代、大石敬子:言語聴覚士のための言語発達障害学,医歯薬出版,2012

・小寺富子:言語発達遅滞の言語治療 改訂第2版,診断と治療社,2008

・秦野悦子:ことばの発達入門,大修館書店,2001

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