ABA: 効果的な指導をするためのポイント
11月のパーティングトン心理博士(BCBA-D)の講義では、ASD(自閉症スペクトラム障害)を呈する子どもを対象とした指導方法について理解を深めることができました。より良い指導が提供できるようご参考にして頂けると嬉しいです。
ポイント1: 効果的な指導をするための基本チェックリスト
子どものやる気を引き出していますか。
子どもは注目・集中していますか。
分かりやすい指示を出していますか。
正しい反応や望ましい行動を強化していますか。
プロンプトは素早く減らしていますか。
ポイント2: 子どもの協力的態度が成功のカギ
子どもの協力性が得られなければ新しいスキルを獲得させることはできない。
子どもに望ましい行動を求めたいのであれば、その頻度を増やすためにその行動を強化しなければならない。
ポイント3: 協力性態度を得るためのチェックリスト
良い(望ましい)行動を強化していますか。(指導者の指示に従えば、自分にとってメリットがある、ということを子どもに教えてあげる必要があります。)
子どもが成功できるように促していますか。
簡単な課題からやっていますか。
ポイント4: 強化子のコントロールの重要性
子どもが自分で強化子を得ることができるような環境で指導していませんか。
強化子は常に強化子になるとは限りません。常に子どもを観察し、子どもが何を欲しているか確認していますか。
強化子の量を最低限に保っていますか。
ポイント5: ラポート形成を成功させるチェックリスト
適切な強化子が何であるか把握していますか。(子どもによって強化子は違います。)
指導者であるあなた自身とあなたの言語行動(ことば)を強化子と関連づけさせていますか。
ラポート形成時は子どもに課題をさせたり、難しいことを要求していませんか。
あなたの指示に従うことが出来た時、ことばを使用した時、あなたと適切な態度でやりとり出来た時に強化子を与えていますか。
ポイント6: 子どもに指示をする時のチェックリスト
課題を始める前(指示を出す前)に強化子を準備していますか。
子どものあなたへの注目を得ずに指示をしていませんか。
子どもは課題や教材に注目していますか。
参考文献:
Partington, James W. (2014). Getting Started: Developing Critical Learning Skills for CHildren on the Autism Spectrum. Behavior Analysts, Inc.
Partington, James W. (2016). Developing Critical Learning Skills for Children: Motivation to Learn & Spontaneous Use of Skills to Socially Interact with Others. Behavior Analysts, Inc. Autism Recovery Network, Hong Kong, November 12, 2016. Lecture.