当事者から学ぶ:吃音と緘黙の現実

これまで、言語聴覚士として吃音の方への指導、保護者とも話をする機会がありました。 しかし、その中で言語聴覚士として本当にその方によって最善の指導ができているか迷う 場面が多かったのも事実です。吃音や場面緘黙の治療効果は様々な要因が関係するため、支援方法は複雑で、支援者側もきちんと理解できていないこともあります。 このたび、吃音・場面緘黙を経験し、克服した女性に詳しい話を聞くことができました。少し答えづらいのではないかと思うような質問にも丁寧に答えてくれました。 4回にわたり吃音と場面緘黙の定義や治療法などに関して紹介してきましたが、本ブログでは、吃音と場面緘黙の当事者の生の声を届けます。 吃音・緘黙に気づいたのは誰ですか? 初めに気づいたのは幼稚園年長時の自分自身でした。元々、人の言葉を聞き取ることが 苦手で、言葉の正しい発音を理解するのに時間がかかりました。理解していく中で、自身 が何か言うときに他の子達にはない「っ」の音がはじめに入っていたり、「あ、あ、あ、 あの・・・」の様にはじめの発音が吃っていることに気づきました。自身の正しくない発 音を人前で話す事が段々と恥ずかしく思えてきて、小学生になった時に「多数の人に見ら れている状態で発表する場」では一切発言出来ない場面緘黙症になりました。 吃音・緘黙に自分で気づいたのはいつですか?どのような気持ちになりましたか? 他の子供達より発音が異様に下手と気づいてからは、まるで自分がダメな人間の様に思 えました。特に、発表会やお遊戯会などのスピーチや演技でまったく話せずにいる自分は 「役立たずなゴミ」であると思いました。他の人の足を

吃音と場面緘黙について理解を深める(全5回): 場面緘黙の治療方法

治療方法 基本的に、場面緘黙は臨床心理士や病院での対応だけでは改善するのが難しく、家族や学校といった周囲の不安を生じさせない環境づくりへの協力が必要不可欠である。しかしながら、病院側からもいくつかのアプローチ方法がある。 遊戯療法:プレイルームの中で、遊びを通して治療者と対象者が円滑な治療関係を作り、コミュニケーションをもってその対象者の心理状態の改善を図る心理療法の1つ。言語をあまり使用しなくても対象者との自発的なコミュニケーションを取ることが可能。対象者のストレス発散や対人関係の構築を促す。箱庭療法を取り入れて行うこともある。 箱庭療法:砂の入った箱の中に、人、動植物、乗り物、建物などのミニチュアを置き、何かを表現したり遊んだりすることを通して行う心理療法。箱庭という安全を保障された空間の中で自身の自由で行動・表現することで、自身のストレスの原因を発見・解消に有効。 行動療法: 臨床心理士が臨床心理学に基づいて行う相談による支援。面接で、臨床心理士が対象者の行動上の問題(過度の恐怖、習慣)に対して「不適切な対象者の考え方や行動の癖や反応」を把握して、治療者と対象者や時に保護者と共にそれらの行動面の修正を図る カウンセリング:心理面でのサポート 言語聴覚士による支援:上記の吃音の治療で使用された方法を併用 薬物療法:抗不安剤などを処方する これらを組み合わせて治療することで、「スモールステップ」、つまり一気ではなく段階的に特定の場面での恐怖心や不安を和らげたり、慣れてきた場合にご褒美などを指定することで、適切な反応を習得させることが可能である。 日本での支援と指導の現状 この

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